ウルヴァリン: X-MEN ZERO』

スピンオフであってスピンオフでないような映画でした. というか、これがハナからヒットするのが分かっている映画の強みなのね~と思えるような分かりやすい構成と既視感いっぱいのキャラたちに新鮮味は全然なかったのですが、それでも今後ハリウッドでこの手のエピソードゼロ兼スピンオフ企画が増殖しそうな気が凄く感じた映画でした. OPからジェームズ・ローガンことウルヴァリンと彼の兄貴分でもあるビクターが南北戦争第一次世界大戦第二次世界大戦ベトナム戦争と数々の戦争を体験してきたことが描かれるのですが、彼らがそんなに長生きしているということよりも第二次世界大戦の映像がどう見ても 『プライベート・ライアン』 のオマハビーチの戦いの映像にそっくりなことにまずビックリ. さらにミュータント部隊が結成されるも、ここで登場する新キャラが既視感たっぷりなこと. 『リベリオン』 みたいな早撃ちアジア系から始まり、 『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』 のジャガーノートみたいな鋼鉄ボディのロシア系、そして 『X-MEN2』 のナイトクロウラーみたいな瞬間移動ができる黒人系と、もっと違うキャラはおらんのか? と思えるほどの新鮮味のなさ. そして 『オーストラリア』 の時のようにまたヒュー・ジャックマンは不必要に上半身裸になっとるで! と思っていたら、恋人を失くしたウルヴァリンが戦友でもあるビクターに復讐を誓うくだりは『北斗の拳』やん! とツッコミを入れてしまうほどと、とにかく既視感たっぷりの前半でした. ただ個人的にこのシリーズの面白みというのはミュータント同士の連携プレイだと思うので、それが堪能できた後半は凄く楽しめました. と言ってもウルヴァリンとビクターの連携ではなく、ダイヤモンドボディ妹と恐らく後にサイクロプスになるであろう男子高校生の方なんですけどね. それにしてもトランプ電気「幸運を」棒術キザ男ことガンビットが最後に見せる活躍など、ほとんどのアクションシーンが既に予告編で見せられたいたものばかりというのはちょっと残念でしたね. 逆に予告編で大々的に見せてくれた黒鉛炉が目からビームで破壊されるシーンが当初はサイクロプスみたいなミュータントが自暴自棄になるシーンかと思っていたら、まさか頭が空中で転がっていた結果だったというのも別の意味で驚き. ほんとあの予告編はちょっとダメだと思いましたよ. ちなみにこの映画の最後にプロフェッサーXが登場するのですが、あの流れを見る限りウルヴァリン版スピンオフだけではなく、もしかしたらストーム版スピンオフも作られるような気がしましたね. 複数のキャラをそれぞれ基軸にしてエピソードゼロ兼のスピンオフをたくさん作る. ネタ不足のハリウッドにとっての新たな金脈になるのではと思いました. スパイク サッカー ナイキ 深夜らじお@の映画館 は目からビームよりもセクシービームを受けたいです.