中国、ホルムズ海峡封鎖反対 イラン制裁に

中東を歴訪している中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は19日、カタールで、イランが示唆しているホルムズ海峡の封鎖について「どのような状況でも、海峡の安全と正常な航行は保障されるべきだ」と述べた. 緊張回避に向けイランに自重を求める一方、米国の対イラン制裁には加わらない姿勢を改めて示した. 温首相は会見で、イランの核兵器開発には「断固反対」とする一方、「中国とイランの石油貿易は正常な活動で、保護されるべきだ」とイランからの原油輸入を続ける意向を示した. 米国がイランへの圧力を強めていることに対し、中国は「制裁や武力による威嚇は問題の解決に役立たず、局面を一層悪化させる」(劉為民・外務省報道官)との立場を示している. 中国にとってイランはサウジアラビアアンゴラに続く3位の原油輸入先で、輸入量は全体の約1割を占める. イランを含む中東情勢の不安定化に備えるかのように温首相は今回、サウジアラビアを中国首相として20年ぶりに訪れたほか、アラブ首長国連邦カタールを初めて訪問. それぞれ、エネルギー分野をはじめとする経済・政治面での関係強化を図った. (北京=林望).